【アクセサリーの豆知識】知れば知るほどおもしろい!インディアンジュエリーの魅力 Staff nori’s blog
みなさん、こんにちは。スタッフNoriです。
今月の【アクセサリーの豆知識】は『知れば知るほどおもしろい!インディアンジュエリーの魅力』について。
インディアンジュエリーと聞くと何を思い出しますか?ターコイズ?シルバー?アジアン雑貨で取り扱っているシルバージュエリーコーナーのイメージ?アフリカの民族?羽のモチーフ?・・・インディアンジュエリーと言っても私たちのイメージはそれぞれ違いますし、実際には作り手側もヴィンテージに拘ったり、アーティストやターコイズに影響を受ける人もいます。現在の多様なインディアンジュエリーを知るには歴史から知っていくとよりおもしろい!さて、今回はその魅力をご紹介いたします。
インディアンとはアメリカ先住民?
インディアンとはアメリカの先住民を指します。その昔コロンブスが黄金と奴隷を求めてインドを目指して航海し、辿り着いた陸地(今のキューバ周辺)がインド周辺の島々であると誤認し、そこにいた原住民達をインディアンと呼んだことから始まりました。
黄金のありかを目的にたどり着いたコロンブス。武器を持たない、宗教を持たない原住民との交易には一切興味を持ちませんでした。当時はきっと文化、文明の発達に大きなギャップがあったに違いありません。広く世界を有するものにとっては、彼らを虐げ家畜や奴隷として働かせることは容易なことだったでしょう。
そして、コロンブスのアメリカ大陸到着から本格的にインディアンの弾圧・大虐殺が始まります。長い年月にかけて強いられて来たインディアン。その中の一つにナバホ族という部族がいました。彼らの悲しい歴史の中から生まれたのがインディアンジュエリーでした。
インディアンジュエリーの誕生
インディアンジュエリーの誕生にはしばしば諸説がありますが、一つは1850年頃、アメリカ南西部にやってきたメキシコ人の銀細工師、ファンアネアをナバホ族のアツィディ・サニが自宅に招き、銀細工を教わったのが始まりだという説があります。はたまた、ナバホ族は16世紀〜17世紀にかけてスペイン軍との交易を経て、鉄や銀に関する技術を学んだことが始まりという説もあります。
19世紀アメリカ。西部開拓時代と言われる時代に、アメリカ軍とナバホ族が激突する。いわゆるインディアン戦争です。
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インディアン戦争:1622年から1890年の間の、アメリカ合衆国で白人入植者とインディアンの間で起きた戦争の総称。初期のころからインディアンと白人入植者の小競り合いが続いていたが、白人入植者の増加とともに列強による植民地戦争とも絡みながら、大規模化していった北米植民地戦争、民族浄化、集団殺害である。(一部抜粋:ウィキペディア )
そしてアメリカ軍との戦いにより降伏。リンカーン大統領より300マイル(約483km 東京‐奈良の直線距離)離れたサムナー砦(強制収容所)へ徒歩で移動する事を命じられます(ロング・ウォーク)。 ロング・ウォークを経てナバホ族は現在のリザベーション移り住みました。ここで銀の技術を上達させ、馬蹄や鉄製品を作っていた職人たちが余った材料を使い、ブレスレットなどを作るようになったと言われています。当時、職人は鉄を溶かして流し込むいわゆるキャスティング技法を覚えます。これがナバホ族のインディアンジュエリーの原点になりました。そして1880年代にはスレンダー・メーカー・オブ・シルバーとアツィディ・ジョンというナバホ族の職人がインディアンジュエリーというジャンルを確立したと言われています。
インディアンジュエリーの特徴
インディアンジュエリーの技法はメキシコ人からナバホ族へ。ナバホ族からズニ族、ズニ族からホピ族、サント・ドミンゴ族へ伝えられていきました。
インディアンジュエリーの基本素材はシルバーと天然石です。しかし、地域や民族によってその技法やデザイン性が異なっています。例えば、ナバホ族が作るインディアンジュエリーの場合、スペイン人、メキシコ人から技法を学び、最初に銀細工をはじめましたが、彼らの作る代表的なものとしてコンチョ、スクワッシュネックレスがあります。デザインはシンプルでいてガッシリとした大胆な作品が特徴。
ワイヤーワークやターコイズ(トルコ石)を多用した大胆なシルバーアクセサリーが有名です。
また、ホピ族のシルバージュエリーは、オーバーレイ技法という銀板2枚を重ねて模様を浮き立たせる技法に加え、インレイ技法という天然石などを銀板の溝にはめ込み模様を表現する技法を得意としています。
自然への崇拝心が強いホピ族は、熊、スパイダなど動物や自然のモチーフを多用した作品が多いとされています。ナバホ族と比べるとその技術は一見複雑に見えるかも知れません。
ズニ族はターコイズ(トルコ石)やオニキスなどの天然石や貝殻、サンゴなどを細かく砕き、シルバーの土台にそれらを幾何学的にはめ込み模様を描くインレイ技法を得意としています。天然石の素材を活かしたカラフルなデザインが印象的です。
サント・ドミンゴ族は、天然石や貝殻などをひし形や筒状、円盤状に研磨・切り出した「ヒシ」とよばれる素材をつなぎ合わせたネックレスやブレスレットが代表的です。
現代でもその伝統は受け継がれており、ナバホ族のインディアンジュエリーは日本でも多く取り扱いがされています。
(出典:https://www.pinterest.jp/pin/380694974750932354/)
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長きにわたる弾圧や戦争によって苦しめられて来たインディアン。
彼らは過酷な運命にあいながらも独自で生きる手段を見つけていきました。
インディアンジュエリーの歴史は民族の歴史をたどることになりましたね。
さて、もっと興味を持たれた方は、もう少し深堀りされると何か発見があるかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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